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声優名 長谷部真子  [ 声優詳細情報 ]
価格 1366円 文字数 4757文字
サイズ 17315 KB 公開日 2022年3月7日
声のタイプ 自己紹介 ファイル形式 mp3
売れ行き
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作品内容  朗読

台詞
播磨守日記・城中腹切之間・その一
一の話
しばらくして顔を挙げた千代は、不覚にもこの場に及んで涙を流した自らを恥じるように、濡れた目許を袂で拭うと改めて背筋を伸ばし、両手を膝に置いて瞑目して暫らく呼吸を整えていたが、やがて覚悟が定まったか大きく一呼吸すると眼を開き、すっと腰を浮かせて膝立ちになり扱帯に手を掛けた。当家の切腹の装束は、男は下帯、女は短い腰布を締めただけの素肌に、単の白無垢をまとい、白の扱帯を巻いた姿で席に着き、それから男女とも扱帯を緩めて諸膚脱ぎ、素腹を切るのが定法である。千代も手早く扱帯を緩めると、腹を突き出すようにしながら両手でぐいぐいと腰骨まで押し下げ、両腿の付根のあたりで固く結び直した。そして緩んだ両襟を引き広げると、両手を袖口にくぐらせて胸の前で交差させ、両肘をぐいと張って一気に諸膚脱ぎになった。
検視役を前にした尋常の切腹ならば、このあたりで女の身としていささかのためらいと恥じらいを見せるのが常であるが、この腹切り部屋に独り残された身では、もはや生あるうちに人目にかかることはなく、ただ死後に見事な腹の切り様よと言われたい一心だけであるから、余が見ているとは露知らぬ身の大胆な振舞いが、日常は秘めた女の性を露わに見せる。この部屋を作らせた余の意図もまさにそこにあったわけだが、今日初めて目の前で演じられる若い娘の切腹の実態に、余の胸は激しくときめき、不覚にもそそがうずいて堪りませぬ。
何も知らぬ千代は、まだ固そうな両乳を両手で撫で下ろしながら、掌を細く括れた鳩尾から腹へと移し、臍の周囲に饅頭のように隆起している膨らみを、円を描くように撫でまわした。そして脱いだ白無垢を両手で扱帯ごと念入りに押し下げて、下腹の切るべきあたりを臍の下三寸あたりまで剥き出した。肌の浅黒い女は体毛の濃い者が多いが、この千代という腰元も、このあたりまで腹を出すと腿の付根まで生え上がった陰毛の上縁が覗き、次いで肘を張って両脇腹から尻のほうまで念入りに整えた時には両腋下から豊かな腋毛がはみ出して、余の心をそそった。
充分に上半身をあらわにした千代は、眼を閉じて一呼吸し、それから胸の前に両手を合せて頭を垂れ、何事か口の中で呟いた。おそらく両親にか、あるいは意中の男にでも今生の別れを告げたのであろう。そして再び眼を開いた時には、先程の心の動揺は消えたらしく、最初にこの部屋に入ってきた時のような凛とした表情に戻っていた。 そして意を決したようにすっと右腕を伸ばして前の三方の上の腹切り刀を取上げると、左手で三方を取り後ろに回して、浮かせた尻の下に挿し込み、両膝を開き腰をゆすって三方の上に尻を据えた。このようにすると体が反り気味になり腹の皮が伸びて切り易くなるからであろうが、余が検分した限りでは女に多いようである。男は体が大きく重いので三方が壊れることがあり、また強いてこのようにせずとも、両膝を立てて威丈高になり腹かっさばくほうが勇ましく見えるからであろう。また女は三方を尻の下に入れて置くと割腹後に体が前に伏して見栄えが良いという思惑もあるようだが、これは必ずしもそうではなく、苦悶して身を捩ると尻が三方から外れて体があらぬ方に倒れることが多い。しかし余の好みからすれば、三方を尻の下に入れた女が、やや膝を開き下腹をせり出してキッと反り身になった姿はまことに潔く、肉置きのよい女にも身の締った女にもそれぞれに似合って、これから始まる光景への期待に胸をときめかせてくれるのである。
さて、こうした一連の動作を進めているうちに千代の気分は急激に昂ぶってきたと見え、カッと見開いた眼が異様に輝き、やや青ざめた額と対照的に、頚から胸乳にかけて美しい紅に染まってきた。唇と頬がぴりぴりと震え、弾む呼吸に胸と腹が大きく波打っている。そして右逆手に握った腹切り刀の青白く輝く切っ先にヒタと視線を据えながら、右腕を大きく左にまわし、左腰骨の壷を押さえている左手の側に切っ先をあてがうと、左手を腹から離して刀の中巻きに握り添え、視線を正面に戻してグッと胸を張り大きく息を吸った。膨らんだ腹が静止したと見えた瞬間、
「ウワッ」
という低く短い気合と共に、千代は己が腹に刀の切っ先を押し込みながら両腕に力を込めて刃を右に引いた。刃はぶすりと低い音をたてて一寸余り腹に切り込んだ。余は思わず唾を呑んだ。
千代は一瞬びくりと体を震わせたが、それは刃が腹に入った手応えのためで、気が昂ぶっているため痛みは感じていないらしく、顔色も変えずキッと正面を見据えたまま 両腕に力を込め、
「えいッ、えいッ、えいッ」
と、気合と共に三度刃を引き回して、臍の下を右腹まで一気に掻き切った。「気力のあるうちに一思いに切り回せ」と教えられていたのであろう。最初の一刀は左腹を臍の左下まで切り裂き、鮮血が二ヶ所ほどからサッとしぶくと、続いて簾のように下腹を流れた。
「ああッ、えいッ、えいッ、えいッ」
二刀目は臍の二寸ほど下で、薄黒く股間に走る正中線を断ち切り右腹に切り込んだ。ここは急所の一つであるが、刃がさほど深くなかったためか千代の表情に変化はなく、ひたすらに腹を切ることに集中しているようであった。刃は大きな血脈を切ったらしく、鮮血がどくどくと湧き出して白無垢の下半身を染めたが、千代は息を継がずに浅く浮きかかった刃をもう一度ぐっと深く突っ込むと、残る右腹をギリギリと、刃が腰骨に当るまで引き回してしまった。
うーむ、やるのう、若い女としては立派な切り様だ。だが世間尋常の切腹なら、ここでうなじを伸べて介錯を待てばよいのだが、当家ではこれから臓腑を引き出すという荒業が残っておる。不憫だが掟に従ってもらおう。
   それまで千代は、顔色こそ次第に蒼白になり、額には冷汗が露のように浮かんでくるものの、ほとんど苦痛の表情は見せなかったが、ここで流石に
「ふーっ」
と大きく一息つくと、刃を右腹に刺したままうつむいて、腹の切口を左手で確かめるようにまさぐった。 切口は下腹の最も広いところを左から右へ八寸ばかり、ほとんど水平に切り裂いて、下半身は白無垢まで鮮血にまみれ、切口は上下に一寸ほど開いて菜種色の脂と真っ赤な肉が見えるが、切っ先が僅かに浅かったか臓腑はまだ出ていない。それが切口をまさぐる左手の指先で分かったのであろう。千代はちらと視線を落として確かめるように腹の切口を見おろすと、悔しそうに唇を歪め、
         「まだか...では今一度...」
と吐き捨てるように言うと、やおら右腹の刃を引き抜いて左腹に戻し、切口の左端に再度ぷつりと、拳が腹に当るほど突っ込んだ。今度は切っ先が腹中に入ったのが感じられたか、千代は独りでうなずくと腹を見ながら白い歯を食いしばって、
「くうーッ、く くくく... く くくく...」
と呻きとも気合ともつかぬ声とともに、先の切口に沿って片手斬りにずぶずぶと右へ引いた。残されていた五分ばかりの腹肉は容易に切り裂かれ、刃が再び右腹に達して千代がほっと力を緩めたとき、突然腹の切口の中央を押し開くようにして、 美しい桃色の腸管がむくりと膨れ出してきたと見る間に、たちまち大きく開いてゆく切口のほとんど全面から、ぬるぬると滑り出してきて白無垢の膝の上に広がってゆく。
「ああーッああーああー」
切腹の最も美しい瞬間だ。
      千代は紅を差した唇をぽっかりあけて
「はあーッ」
と大きな声を上げ、両眼を飛び出すほど見開き、己の腹中からとめどなく溢れ出てくる自分の腹綿を眺めている。それは苦痛の表情ではなく、初めて人間の臓腑をまのあたりにした童女のような驚きと、女ながらも作法通りの切腹をしとげたという満足の色であった。それは想いを遂げた生娘が、嬉しさの余り痛みも感じないで男の腕の中で浮かべている恍惚の表情を思わせ、そのいじらしさにたまりかねた余は、最初の愛液を濡れてしまっていた。
   無意識のうちに千代は、腹切り刀を右腹から引き抜き、左手で溢れる腸塊を抑えようとしていたが、もとより抑えられるものではなく、
「ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ... 」
一息つくごとに大きく開いてゆく腹の切口から、むくむくとうごめきながら滑り出してきて膝の上一面に広がり、さらにぬるりと膝からこぼれ落ちて白布団の上を這った。腹が開いたので息が充分に吸えなくなったのであろう。
千代の顔には次第に苦悶の色が浮んできた。口を大きくあけて鯉のように喘ぎながら、肩を激しく上下させて身悶える。
「はっ、はっ、はっ...ううむ、ううむ、くくくく...」
先程までの紅顔は青紫色に変じ、息苦しさのため血まみれの両手で乳房を掻きむしり、身を揉むと、そのたびに波打つ腹の切口から少しずつ臓腑が押し出されて股間に垂れ下がり、女は身悶え、呻く。
「う...死、死ねぬ...うーん...こうして...うううーっ」
臓腑が出尽くせば息絶えると思ったのであろう、千代は歯を食いしばった凄まじい形 相で、両手を切口からずぶと腹の奥に突っ込むと、
「ああっ... くくくっ...」
太い腸管を掴んでずるずると引き出した。
「ぐぐぐ...」白目を剥いて仰け反りながら激しく頭を振ると、腰元島田の髷ががくりと崩れて、黒髪が頬から首筋に乱れかかり、汗に濡れた半裸の上半身にべったりと貼りつく。白無垢の裾は乱れて、開いた腰布の間から内腿の肌が見える。われとわが手で切り開いた腹から臓腑を手繰り出しつつ悶える女のなまめかしさ。
「ああああああっ... くくくっ...」
もはや体を支える力を失った千代は、ひっと悲痛な叫びをあげると、尻の下に敷いた三方からどさりと転がり落ちて、己の血と臓腑の中に身を捩るような姿で横たわった。
「げえっ、げえっ」
と、えずくような呻きを洩らしながら、断末魔の痙攣にがくがくと全身を震わせる千代の右手は、けなげにも引き出した己の腸を握って、掟どおりの切腹を遂げたことを訴えているようである。切っ先が腸を破っていないようなので、絶命までには今しばらくかかりそうだが、もう苦痛の絶頂は越えたのであろう、痙攣は次第に間遠になって、千代はものうげに見開いた眼を虚空に据え、開いた唇の間から桃色の舌を覗かせて、
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、...」
うっとりと幼子のようなあどけない顔つきであるが、時々
「げくっ」
と異様な声をたてて顔を歪め、体を反らせたり、腸をまさぐったり、脚で大きく空を蹴ったりしては、また手足をばたりと投げ出して動かなくなる。その度に裾が乱れて左の脚は太腿の付根まで捲くれ、股間の秘めどころまで露わに見える。
     肌の浅黒い女は体毛が濃いと先程も言ったが千代もその通りで、陰毛の上縁は溢れ出ている腸に覆われてよく判らぬが、下は割れ目の両側に沿って尻のほうまで黒々と密生し、女陰のかたちをくっきりと見せている。その中央の割れ目が緩んで真っ赤な内側の肉が見えているのは、あるいはこの女、生娘ではないのかも知れぬ。左腕をばたりと投げ出しているので、腋窩のくぼみを埋めた濃い腋毛もよく見える。本当に情が濃く色好みなのはこういう女である。余はますますこの千代という女がいとしくなった。もっと早く目をつけて側に召し出して可愛がってやれば、こうした仕儀にはならなかったのを、今更仕方がない。極楽往生を祈るばかりだ。 切腹を始めてから半刻余りも経ったであろうか、びくりと全身を動かした千代は、それが最後の力だったか、そのままぐったりと力が抜けて長々と横たわった。
部屋の中はしんと静まり返った。その中で千代の腹から流れ出して布団の上に広がっている腸管だけが、主が息絶えてもまだひくひくとうごめき続けて、この世への執念を示しているようであった。


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