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声優名 浪実みお (なみみみお)  [ 声優詳細情報 ]
価格 489円 文字数 997文字
サイズ 80925.8 KB 公開日 2022年1月26日
声のタイプ 2018新録。現在の音質 ファイル形式 zip
売れ行き
 この作品の販売回数 : 0回
作品内容  絶望している街に滞在した勇者一行の会話

台詞
あら……お帰りなさい。遅かったじゃない。

んー? 眠たそう……?
君が戻って来るのを待ってたのよ。ふぁ〜あ。 

戦士と僧侶? 格闘場に入り浸ってるわ。

いなかったの? じゃあ……。またどこかでイチャついてるのかしらね。
今日は4人部屋だし。朝まで帰ってこないかもしれないわ。

……って、ああ、そっか。
この世界は、朝が来ないのよね……。はぁ。時計はあるけど、なかなか慣れないわ。

君はこんな遅くまで何してたの?

……街を守る機械人形の研究?
あの学者さんのお手伝いをしてたの? そう……。うふふ。

え? 何だか意外だなって思って。

……こんな世界でもこの街の人々が希望をもって生きていけるように?
守り神が完成すれば、みんな元気になるかも……って……

そう、だよね……。

みんな絶望して、誰も働こうとしないものね……。
どうせ死ぬんだから意味がない、って……。
せめて、何かしていた方が気が休まるのに、ね……?

お店に放置されてる作りかけの剣とか、縫いかけのローブとか、
すごくいい作りなのに。いつからこうなっちゃったのかしら……。ね?
確かに、こんなずっと暗い世界にいると私だって気が滅入って来ちゃうけど。

はぁ。

私? あのね……ほら、君のこと強そうだねって言ってた男の子、覚えてる?

ご両親が泣いて、嘆いてばかりだったし、退屈そうだったから、
一緒に外に行きましょうって。少し遊んであげてたの。

うん。無邪気にトコトコ付いてきてくれて。

大人と違って絶望しきってなくて、ほんの少しだけど可愛い笑顔を見せてくれたの。

それでね? あの子、こう言ったのよ。

「あのお兄ちゃんならもしかして、魔王を……」って。

そう。きっと君のことよ。
あの時、戦士ってば僧侶と部屋の外でじゃれてたから。
あの子の目の前にいたの、君の方でしょ?

でもね、私が聞き返すと、それ以上言ってくれなくて。

「何でもないんだ、ごめんね……」って黙っちゃったの。

何だか、その、あまりに健気で……ね。
あんな小さな子にまで気を遣わせるなんて……。

この世界も、ご両親も……。もう……。
周りの大人たちはみんな無気力になってるのに……。

ううん、もしかしたら、希望を持っただけで大人に否定されてきたのかもしれないの。
そう考えたら……。

え……涙? べ、別に泣いて、泣いて……ないわよ……?
うふふ、変だわ。私、眠い、みたい……。

そう、そうだよね……。
私たちがあの子を守ってあげなくちゃ……。ね?
本当に心の底から笑えるように……。


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