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声優名 姫桜りりか  [ 声優詳細情報 ]
価格 2160円 文字数 1704文字
サイズ 7132.2 KB 公開日 2016年8月10日
声のタイプ おはよう、おやすみ(少年2種) ファイル形式 mp3
売れ行き
 この作品の販売回数 : 0回
作品内容  宇喜多清真(男性)
少年ボイス

台詞
【宇喜多清真】


都に赤旗翻る頃 私は遠くアラビアの街にあって ある日知己を得たヨルダンの男とカフェの椅子に腰掛けていると ヨルダンの男が懐より一枚の写真を取り出し私へ突き出した

ヨルダンの男 顔に些かの変わりもなく淡々と言うにつけ 私は問いを投げねばならなかった

ヨルダンの男 そう言って再び懐を探り 煙草を取り出して一本を口に加えた

私は構わずに写真に目を下ろし 絵の内に見入る事とした

絵は私の脳裏に鋭い切っ先を突き立て 深く深く刃を差し込んだ

ヨルダンの男 ただ突き入れられて呆けるままの私を一瞥し いつの間にやら三本の吸い殻を灰皿に転がして 四本目に火をつけた

私は漸く正気に醒めて男に問うた

無論 日本人とて無理な話だ

しかし 絵に写るのは無理を押し通したモノであり 一揆など脳炎にでも罹ったとしか思えない

清水賢一郎 出羽の篤志のクラーク 彼の一揆は私の常識を打ち砕いた

そして 私の中に仄かに火種が生まれ それが時を一つずつ刻んで進むにつれて段々と燻っていった

ヨルダンの男 煙草を加えたまま私の顔を覗き込み 私の心中を察した

男は煙草を離して

ヨルダンの男 三度懐を弄り 一枚の名刺を出した

ヨルダンの男 わざとらしく煙草の息を私にかかる様にふっかけ 私が顰め面で煙を払う間に吸い殻を皿へと落とした

ヘビー?

…ああ 蛇 か

彼は蛇というより猫だ

少し気紛れが過ぎる

この言い回しが気に入った様だが 一々構うつもりはない

ヨルダンの男を惜しく思った

貧しさ故に軍隊で暮らす事になり 遂に脚を洗えなくなったこの哀れなる者!

もし 彼が大学へ通えるだけの富裕の子であれば きっと きっと多くの学を志す若者達の先達で有り得たであろう

彼の知的な好奇については彼の仲間内でも煙たがられる程であり そんな男故に 東洋の亡命者であった私に付き纏って知己を得るに至ったのだ

フフッ と笑うヨルダンの男

私は少し気恥ずかしくて顔を背ける 

男は少しニヤついたまま 話を続けた

血の復讐

成程 そういう方面にも顔を出し始めたか

つくづく 堕ちる所まで堕ちたんだな

そう思わずにはいられなかった

ヨルダンの男は笑いを漏らした

だが すぐに表情を切り替えた

そうとも 私 いや俺はこの時を待っていたのだ

ヨルダンの男は そうか とだけ呟いて 暫し黙った

騒めく周囲を他所に我ら2人は何も語らず ただ沈黙し ただ日々を憶う

ヨルダンの男 遂に意味を問わずして 言葉の真相を掴んだ

ありがとう ヨルダンの友よ

きっと勝ってみせる

偉大なる祖をきっと超えてみせる

ジェネラルでなく ショーグン か

なら俺は…不敬な話だ

だが 別になってしまえば良いのだ

そうだ

そうだとも!

…ああ またあの日の事を夢見ていたのか

私は時計を見る

執務室の簡易ベッドに横たわって3時間 か

遅かったな 予想よりも

宿直が御免 と声を掛けて執務室の戸を勢いよく開く

すると主が既にスクっと起きているのに少し面食らっていたようだ

宿直は呆けた様な顔をしている

取り敢えず 今から武官 文官共に集めても30分はかかるだろう

茶の一杯でも飲もうじゃないか

宿直は尚もオロオロしている

何を一人で慌てている

宿直は『呆気にとられました』 とばかりにボケっと突っ立っている

やれやれ

私が起きたらまずは茶を淹れてくれ

いつもそう言っているのに

全く 若い連中は気が利かないな

あれから数十年が過ぎた

出羽の清水も人の親になった

その出羽と戦った星川も自分に反抗する年頃の娘が出来て難儀しているそうだ

私がかしづく男も その裏で糸を引いている変な女も私よりか若い

歳を取るわけだ

皆我が子供の様な世代だというのに 私はまだ張り切っておらねばならない

我が敵は若作りしたバアさんだそうだが 歳相応の振る舞いも出来ぬ輩など恐るに足らないというものだ

宿直はそう答えると 慌てて踵を返して駆け出し執務室の戸を閉めて去っていった

…あの慌て者

茶を淹れてくれって言ったろうに

周防大島守備隊 全滅か

そうか やはり大島は捨てたのか

実に君らしい 思い切りの良さだ

それは正しい

あそこが落ちたと聞けば きっと女狐の誑かしに気づくだろうからな

君には感謝せねばならない

私は良い死に場所を得た 

君の 私の夢の 終着点がそこにあるんだ

応えて見せよう 君の将軍として

君の友として

そして 我らは感謝しなければならない


http://スライダーの会.blogspot.jp/


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